2026/10/20

TOKYO PACK 2026攻略ガイド|資材調達担当の回り方

前回のTOKYO PACKには725社が出展し、3日間で70,712人が来場しました。1社あたり3分で回ったとしても、全部を見るには36時間かかる計算です。会期は3日間、開場は1日7時間ですから、物理的に不可能だと分かります。

つまり、この展示会は「見て回る」場所ではありません。何を見ないかを先に決めた人だけが、成果を持ち帰れる場です。ではどう絞り込めばよいのでしょうか。

TOKYO PACK 2026の基本情報

まず前提を揃えておきましょう。日程と会場、そして今回の特殊事情を押さえておくと、計画の精度が変わってきます。

会期・会場・入場方法

TOKYO PACK 2026、正式名称を2026東京国際包装展といいます。主催は公益社団法人日本包装技術協会で、特別協力として一般社団法人日本包装機械工業会が名を連ねています。

項目内容
会期2026年10月14日(水)〜16日(金)
開催時間10:00〜17:00
会場東京ビッグサイト 東1〜3、7、8ホール
主催公益社団法人日本包装技術協会(JPI)
テーマ包みの技術で 世界に優しさを
入場料1,000円(税込)※WEB事前登録で無料

入場料について、公式には1,000円(税込)と案内されていますが、WEB事前登録を済ませておけば無料になります。当日会場で登録の列に並ぶ時間も省けますので、済ませておかない理由がありません。

前回2024年の規模

規模感を掴んでおくと、当日の心構えが変わります。前回のTOKYO PACK 2024では、出展社数が725社、3日間の来場者数は70,712人でした。このうち海外からの来場者は6,045人で、62か国から集まっています。

来場者の3割以上が部長職級の意思決定者であることも公表されています。商談を前提とした来場者が多いということは、出展社側も具体的な提案を用意して待っているという意味になるでしょう。

なお本展は2年に1回の開催です。今回を逃すと次は2028年になりますので、検討中の案件があるなら足を運ぶ価値は高いといえます。

今回は展示面積が縮小する

見落とされがちですが、今回は特殊な事情があります。東京ビッグサイトが施設の経年劣化への対応と設備更新のため、大規模改修工事を実施しているためです。

東展示棟については、約2年にわたって利用が制限されます。主催者も、前回と比較して総展示面積が大幅に減少すると公表しています。

来場者にとって、これは悪い話ばかりではありません。会場が集約されるぶん、移動距離が短くなる可能性があります。一方で、出展社数が絞られることで、目当ての企業が出展していない事態も起こり得ます。事前に出展社リストを確認しておく重要性が、いつもより高いといえるでしょう。

出展4テーマを調達担当の言葉に翻訳する

主催者はテーマを「包みの技術で 世界に優しさを」と掲げ、出展テーマとして環境、機能、次世代技術、印刷・表示技術の4つを設定しています。ただしこの4語のままでは、現場で何を見ればよいのか判然としません。調達の言葉に置き換えておきましょう。

会場で気になる技術を見つけたら、自社の条件で試せるかどうかを確かめる段階に進みます。オーダーメイドや小ロットの試作に対応できるかを、その場で確認しておくと後の動きが速くなります。

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「環境」=モノマテリアルとバイオマスの実物確認

環境対応の資材は、カタログだけでは判断できません。リサイクル適性を高めた単一素材の構成が、実際にどの程度の透明度と強度を持つのか。ここは現物に触れるしかない領域です。

EUの包装規制をはじめ、環境要件は年々厳しくなっています。多層フィルムから単一素材への切り替えを検討しているなら、複数社の実物を並べて比較できる機会は貴重でしょう。包装をめぐる規制動向はOPP袋の包装トレンド3選でも整理しています。

見るべきポイントは、透明度、シール強度、そして既存ラインで流せるかどうかの3点です。

「機能」=バリア性・防曇・帯電防止の比較

機能性フィルムは、数値と実感が一致しないことがあります。カタログの透湿度が優秀でも、実際の商品で使うと期待した性能が出ない。こうした食い違いは珍しくありません。

防曇タイプであれば、実際に水分を含む内容物を入れた状態を見せてくれる展示があります。帯電防止についても、ホコリが付きにくい様子を実演しているブースがあるでしょう。数値ではなく現象として確認できる点が、展示会の価値です。

「次世代技術」=自動化ラインとの適合性

人手不足を背景に、包装工程の自動化は加速しています。機械が展示されている会場では、フィルムがどう流れるかを実際に見られます。

注目したいのは、機械そのものより「機械にかけたときのフィルムの挙動」です。滑り性が悪ければ搬送が詰まり、寸法精度が甘ければラインが止まります。自社の設備に近い機種が動いていれば、その前で足を止める価値があります。

「印刷・表示技術」=小ロット印刷とデジタル表示

印刷分野では、少量多品種への対応が進んでいます。従来は数万枚単位が前提だった印刷が、デジタル技術によって小回りの利くものに変わりつつあります。

QRコードなどのデジタル表示を包装に組み込む動きも広がっています。消費者に原材料情報やリサイクル方法を伝える手段として、包装の役割が変わってきているためです。

3日間で成果を出す回り方

準備なしで会場に入ると、パンフレットの束を抱えて帰るだけになります。持ち帰るべきは紙ではなく、判断材料です。

事前準備で決まる

会場に着く前にやっておくべきことが3つあります。

  • WEB事前登録を済ませます。入場料が無料になり、当日の受付列も回避できます。
  • 出展社リストから訪問先を10社程度に絞り込み、ホール番号をメモしておきます。
  • 自社の要求仕様を1枚にまとめます。サイズ、厚み、枚数、用途、現在の課題の5項目で足ります。

3つ目が最も重要です。この1枚があると、ブースでの会話が「何かいいものありますか」から「この条件で対応できますか」に変わります。相手の回答の質が、まったく違ってきます。

当日の動線設計

会場に入ったら、まず絞り込んだ10社を優先して回ります。目的の商談を先に済ませてから、余った時間で周辺を歩く。この順番を守ってください。

逆にすると、入口付近の目立つブースで時間を使い切り、本当に見たかった企業にたどり着けません。展示会場は、入口に近いほど人が滞留する構造になっています。

商談は1社あたり15分を目安に区切ります。深く話し込みたい相手が見つかった場合は、その場で長居せず、後日の訪問や打ち合わせを設定するほうが建設的でしょう。

サンプルの持ち帰りと現物比較の落とし穴

サンプルは積極的にもらってください。ただし、その場で袋に入れて満足しないことです。

多くの担当者が経験する失敗があります。持ち帰ったサンプルが山積みになり、どれがどの会社のものか分からなくなる。この状態では比較検討ができません。

対策は単純です。もらったその場で、サンプルに社名と特徴を書いたメモを貼り付けます。「A社・バイオマス30%・透明度やや低い」といった程度で十分です。会場を出た瞬間に記憶は薄れ始めます。

展示会の後にやるべきこと

展示会の成果は、帰った後の動き方で決まります。会期中に得た情報は、放置すれば1週間で価値を失います。

情報を仕様書に落とし込む

見た技術や聞いた話を、自社の仕様書の言葉に翻訳してください。「面白そうだった」という印象のままでは、社内で共有できません。

具体的には、現在使っている資材との差分を書き出します。厚みが何ミクロン違うのか、単価はどう変わるのか、既存ラインで流せるのか。この3点が埋まれば、稟議に載せられる情報になります。

見た技術を自社の条件で試す

カタログスペックと自社の現実は、しばしば一致しません。展示会で見た資材が、自社の商品と設備で同じ性能を出すとは限らないためです。

だからこそ、試作の段階を挟んでください。小ロットで実際に作り、自社の商品を入れ、自社のラインで流してみる。この検証を経てから量産に移る流れが、結果的に最短距離になります。PE素材からの切り替えを検討している場合の考え方はPE代替に効くOPP・CPP袋にまとめています。

相談先を絞り込む基準

多くの企業と名刺交換をした後、どこに相談を持ち込むかで迷うことがあります。判断の軸を3つ挙げておきます。

ひとつは、自社の要求仕様に対して具体的な数字で答えられたかどうか。二つめは、試作段階から付き合ってくれる姿勢があるかどうか。三つめは、オーダーメイドの相談に対して、できることとできないことを正直に切り分けてくれたかどうかです。

その場で「何でもできます」と答える相手より、条件を確認してから回答を保留する相手のほうが、実際の取引では信頼できることが多いといえます。用途ごとの資材選定についてはOPP袋用途図鑑も参考になるはずです。

まとめ

TOKYO PACK 2026を有効に使うための要点を整理します。

  • 会期は2026年10月14日から16日、会場は東京ビッグサイト東ホールです。WEB事前登録で入場料が無料になります。
  • 前回は725社が出展し、70,712人が来場しました。全部は回れないという前提で計画を立ててください。
  • 今回はビッグサイトの改修により展示面積が縮小します。出展社リストの事前確認が例年以上に重要です。
  • 会場に持参すべきは、自社の要求仕様を1枚にまとめたメモです。会話の質が変わります。
  • サンプルはその場で社名と特徴をメモしてください。会場を出た瞬間から記憶は薄れます。

会場で見つけた技術を自社で試す段階では、小ロットでの試作が確実です。オーダーメイドの相談を受け付けているメーカーに、展示会で整理した仕様を持ち込んでみてください。

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よくある質問

Q1. TOKYO PACK 2026はいつ開催されますか?

2026年10月14日(水)から16日(金)までの3日間です。開催時間は10:00から17:00までとなっています。会場は東京ビッグサイトの東1〜3、7、8ホールで、主催は公益社団法人日本包装技術協会です。本展は2年に1回の開催となっており、次回は2028年の見込みになります。

Q2. 入場料はかかりますか?

公式には1,000円(税込)と案内されていますが、WEB事前登録を済ませておけば無料で入場できます。当日会場での登録手続きも省けますので、事前登録を済ませておくことをおすすめします。登録は公式サイトから行えます。

Q3. どのくらいの規模の展示会ですか?

前回のTOKYO PACK 2024では、725社が出展し、3日間の来場者数は70,712人でした。このうち海外からの来場者が6,045人で、62か国から集まっています。国内では最大級の包装専門展といえる規模です。ただし今回は会場の改修工事により、総展示面積が前回より減少すると公表されています。

Q4. 会場が狭くなるとどんな影響がありますか?

出展社数が絞られる可能性があります。目当ての企業が出展していないという事態も起こり得ますので、事前に出展社リストを確認しておくことが重要になります。一方で会場が集約されるぶん、移動距離が短くなる利点も考えられるでしょう。

Q5. 初めて包装展に行くのですが、何を準備すればよいですか?

自社の要求仕様を1枚にまとめたメモを用意してください。サイズ、厚み、必要枚数、用途、現在困っていることの5項目で十分です。この1枚があると、ブースでの会話が具体的になり、相手からの回答も的確になります。あわせて訪問先を10社程度に絞り込んでおくと、限られた時間を有効に使えます。

Q6. 1日で回りきれますか?

前回規模で計算すると、1社3分でも36時間かかります。1日で全体を見ることは物理的に不可能です。目的を絞り、優先順位をつけて回ることが前提になります。複数日にわたって来場できるのであれば、初日に商談、2日目以降に周辺調査という配分も有効でしょう。

Q7. 同時開催のイベントはありますか?

食品開発展2026とラベルフォーラムジャパン2026が同時期に開催されると案内されています。食品関連の資材や、ラベル・表示技術に関心がある場合は、あわせて計画に組み込む価値があります。詳細は各展示会の公式情報をご確認ください。

Q8. 展示会で見た資材は、すぐに導入できますか?

そのまま導入できるとは限りません。カタログの数値と、自社の商品や設備での実際の性能は一致しないことがあるためです。小ロットで試作し、自社の商品を入れて、自社のラインで流してみる検証を挟んでください。この段階を踏むことで、量産後の手戻りを防げます。

参考文献

  1. TOKYO PACK 2026 公式サイト|公益社団法人日本包装技術協会
  2. 公益社団法人日本包装技術協会(JPI)
  3. PP豆知識|日本ポリプロピレンフィルム工業会